肩関節周囲炎とは一般的に四十肩や五十肩と呼ばれ、原因がはっきりしない肩関節の疼痛と運動制限をきたす疾患をいいます。原因がはっきりしないというのは、レントゲンやMRI、CTを撮っても特に異常がないという状態です。特徴としては４０代以降、特に５０〜６０代に多く発症する。短期間で痛みが消失する人もいれば、一年ほど痛みに悩まされる方も多いです。痛みが強く、長期間症状がつづく中で肩関節の可動域を小さくさせないように根気強い治療が必要となります。
〜病態〜
レントゲンやMRI、CTにおいて特に異常は認められないが、肩周辺の痛みが出現したり、肩が動かなくなったりする状態です。
〜症状〜
症状は急に現れるものもあれば徐々に現れるものもあります。肩の変形はなく、筋萎縮も軽度である。腫れや熱感もない。
日常生活だと髪をとかす、エプロンのヒモを結ぶ、洗濯物を干すなどの動きが困難になります。
病気は「炎症期」「拘縮期」「解氷期」の3期に区分できます。
- 炎症期（痛みが強い時期）
- 拘縮期（可動域制限が強い時期）
- 解氷期（症状が改善に向かう時期）
２〜１２週程度で痛みが最も強い時期です。肩の前側や指で示せない深い部分の痛み、うでの方に走るような痛みがあります。痛みは一日中あり、夜寝ている時に痛みで目が覚めてしまうこともあるようです。
３〜１２ヶ月と長期に及ぶこともあります。関節が固くなることを拘縮と言いますが、この拘縮が最も強くなるのがこの拘縮期です。あらゆる動きの制限がかかり、小さな可動域の中で生活を送るため、服の着脱や髪の毛を洗うのが不便になります。痛みは炎症期に比べると軽減する。
拘縮が緩和され、可動域制限や痛みが徐々に改善されてきます。
肩関節周囲炎の原因ははっきりとわかっていません。原因がはっきりわかっていないことから糖尿病、甲状腺疾患、心臓疾患、腫瘍との鑑別も必要になります。
サポーターなどで運動を制限し、肩の保温をはかることが大切です。
ホットパックや赤外線などの温熱療法を行い、可動域制限に応じたストレッチや運動を行うことが大切です。
温熱治療、ストレッチ、運動の継続が大切です。
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